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「生きるに値しない命」とは誰のことか [エッセイ・随筆]

タイトル    「生きるに値しない命」とは誰のことか ナチス安楽死思想の原点を読む
作者     K・ビンディング/A=ホッヘ


(あらすじとデータ)

強く富んだ国家・国民であるために、
足手まといは切り捨てるべきだ、として
障害者を虐殺したナチス。
ユダヤ人であることを「障害」とみなして、
民族を根絶やしにしようとした。

本書はナチスが大量虐殺のために、
方便として使用した。
封印されてきた禁断の書「生きるに値しない命を終わらせる行為の解禁」の完訳。
それを巡るナチス安楽死政策との結びつきを立証した論究と、
ナチズムだけでなく
安楽死一般の価値観に対峙する視点を探った考察を収録。


(私はこう読んだ)

歴史的視野にたって、ナチスを云々してもいいけれど、
現在の、むしろリアルな安楽死を考える軸にしても
いいような気がする本書です。
それくらい良く出来ている論理と思いました。

読みながら、本書の論旨を打破すべく、
わりと本気で読み込みましたが、
これにヤラれるインテリゲンチャが沢山いたのはよーく分かるんです。
多分、いまの日本も、一部の人は、危ない。
いや、たぶん、どこの組織にとっても、
危うい論理に成りえるんじゃなかろうか、と思える「正論」の持つ力を感じます。
弱者やマイノリティにも等しくある社会というのは、
やはり、推進力の弱い社会だろうし、
弱いという自覚は、恐怖と成り得るのですが、
本当は恐怖の本質は弱さそのものではないのだろう、と。
そういうようなことを考えたりしました。

何を理想とし、何を正義と認めるか。
話のおっきいちっちゃいに関わらず、結局、それが全ての核心なんだなあ、と
改めて考えた一冊でした。


「生きるに値しない命」とは誰のことか―ナチス安楽死思想の原典を読む

「生きるに値しない命」とは誰のことか―ナチス安楽死思想の原典を読む

  • 作者: カール ビンディング
  • 出版社/メーカー: 窓社
  • 発売日: 2001/11
  • メディア: 単行本



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人体 失敗の進化史 [エッセイ・随筆]

タイトル    人体 失敗の進化史
作者     遠藤秀紀


(あらすじとデータ)

いろんな動物の遺体を解剖することで、
知り得た進化の形跡を、読み解く。


(私はこう読んだ)

左右対照だったナメクジウオもどきが、カラダの設計変更しながら、
いろんな形に「進化」してきたことを検証しつつ、
我々、人間の身体的特徴を考えるっつー本。

すごーく面白かったんですが、
動物の死体の写真とか、動物の骨格の写真とか、
電車で広げて読むには、ちいとばかしいたたまれない感じの一冊ではあるかなあ。
寝る前に読むと、興奮しちゃうし。
でも、面白いんだから、しょうがない。

骨付きの肉は、以前から部位を確認&想像しながら食べる派ですが、
おかげでネタが増えました。
やっぱりカラダって面白いです。

どうでもいいんですが、
参考文献の大半が自分の著書っていう、スゴイ先生の本です。
学者の書いた本としては、柔らかい、という位置を狙って、
かえって読みにくくなっている本でもあります。
でも、面白いんで。
はい。


人体 失敗の進化史 (光文社新書)

人体 失敗の進化史 (光文社新書)

  • 作者: 遠藤 秀紀
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2006/06/16
  • メディア: 新書



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子供たちは森に消えた [エッセイ・随筆]

タイトル    子供たちは森に消えた
作者     ロバート・カレン


(あらすじとデータ)

ロシア、黒海の北部に位置するロストフ州の南東あたり。
ドンスコイと、その周辺で起こった残忍な連続殺人。

民警は犯人を追うのだが、
事件のさなか、おりしもソビエト連邦は崩壊。
機能しない組織に手こずり、捜査は難航する。
ついに捕まった、犯人は・・・・。

ノンフィクション。

「チャイルド44」の元ネタ。


(私はこう読んだ)

まず、ソビエト連邦時代の内実、
衝撃的に無能な組織のありように、どビックリ。
「張り込みはどうしたんだ!?」
「してました!(ごはんは食べに出かけたけど)」
みたいなキンチョー感のなさ。

そう、この事件、犯人が凄かったんじゃなくて、
取り締まる側が無能過ぎた・・・という話なんです。
いろいろツッコミどころ満載で、
フィクションだったら赦されないヌケヌケな展開。
いやあ、面白いっす、ノンフィクション。
事実は小説より・・・ってホントだわ、たぶん。
というわけで、読書が楽しくなると、
社会生活も相乗効果で楽しくなるってもんです。


子供たちは森に消えた (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

子供たちは森に消えた (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

  • 作者: ロバート カレン
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 1997/10
  • メディア: 文庫



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心を整える。勝利をたぐり寄せるための56の習慣 [エッセイ・随筆]

タイトル    心を整える。勝利をたぐり寄せるための56の習慣
作者     長谷部 誠

(あらすじとデータ)

全日本でも活躍のサッカー選手長谷部のタレント本。
いかにして試合にむけて自分と環境を調律するか、というような。

(私はこう読んだ)

タレント本とあなどるなかれ。
いままで読んだコレ系の書籍のなかでは、バツグンの好感度。
かなり共感しました。

私自身の口癖も「答えはひとつじゃない」なので、
長谷部選手とはスタンスが近いのかなあ、
と勝手に思ったりもしましたが、
私の場合は、いろいろもっとブレちゃうし、
全然イジも悪いので、
やっぱり、てっぺんに立つアスリートは違うなあ、と感心しました。
尊敬します。

と、同時に。
かーわいいんだ、なんか。
大好きなミスチルの「マイベスト10」とか発表しちゃって、
いかにも男の子、って感じで、
うっかり「いい子いい子」してあげたくなります。
いやあ、いい子だー
読んでて、ちょっと幸せにしてもらっちゃったもの。
すっかりファンになりました。


心を整える。 勝利をたぐり寄せるための56の習慣

心を整える。 勝利をたぐり寄せるための56の習慣

  • 作者: 長谷部誠
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2011/03/17
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



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自分の中に毒を持て [エッセイ・随筆]

タイトル    自分の中に毒を持て あなたは常識人間を捨てられるか
作者     岡本 太郎


(あらすじとデータ)

常識にとらわれず、
人間自分自身として生きることこそが
芸術である、という
人生即芸術論。

岡本太郎の死去3年前に出版された。


(私はこう読んだ)

芸術が爆発するオジサンの
オダあげ本。かな。

今読むと、そんなに特別なことを言っているようには
思えないんですが、
まあ、特殊な人ではあります。

とにかく力強く、
とりあえず元気になるけど、
ハウツー本としては
あんまり人生の役には立たないような・・・

読みようによっては
逆説的に昭和の「常識」が見えてきて、
興味深いです。



自分の中に毒を持て―あなたは“常識人間”を捨てられるか (青春文庫)

自分の中に毒を持て―あなたは“常識人間”を捨てられるか (青春文庫)

  • 作者: 岡本 太郎
  • 出版社/メーカー: 青春出版社
  • 発売日: 1993/08
  • メディア: 文庫



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