探偵ミステリー ブログトップ
前の5件 | -

カッコウの卵は誰のもの [探偵ミステリー]

タイトル    カッコウの卵は誰のもの
作者     東野 圭吾


(あらすじとデータ)

オリンピックに出場したほどの実績を持つスキーヤーの娘は、
やはり将来を嘱望されたスキーヤーに成長した。
しかし、娘は本当の子供ではなかった。
そのことをひた隠しにする父親。
運動神経の良し悪しに関わる遺伝を研究する男からの、
執拗なアプローチ。
娘の実の父親からのコンタクトに怯え・・・。


(私はこう読んだ)

スキーみたいに自然のなかでするスポーツの選手は、
条件がコントロールできないぶん、
修行僧みたいになってしまうものかも?
と、思ってしまうほど、ストイックなお父さんのお話でした。

東野作品って、愛する者のために、
身を犠牲にする男の話が多いと思うんだけど、
こういうロマンチシズムって、
日本人には、やっぱりウケますよねえ。
ちょっとやり過ぎじゃ?と、恥ずかしくなる私でさえ、
そういう美しさは否定できないんだから。


カッコウの卵は誰のもの

カッコウの卵は誰のもの

  • 作者: 東野 圭吾
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2010/01/20
  • メディア: 単行本



nice!(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

死ねばいいのに [探偵ミステリー]

タイトル    死ねばいいのに
作者     京極夏彦


(あらすじとデータ)

殺された女のことを関係者に聴いて歩く男。
事件ではなく、被害者の人となりを調べるうちに
浮かび上がる、
絶望と、事件の真相。


(私はこう読んだ)

普通にしみったれた人生を、理路整然と描き出すことにかけては、
右に出る者はないんじゃなかろうか、と
いつも感心してしまう、京極作品。

「普通」に対する疑問には、私も過剰なほうなので、
やっぱり気になる作家なわけです。
なんてぇか、京極作品を読んでいると、
苦労して「世間」と付き合ってきた人なんだろうなあ、
というような。
不思議な共感にため息が出るような。

ミステリーとしても、よろし。
結局のところ、ミステリーって構成力なんですよね。
さすがに巧みな出来上がりです。
しかも、なんとなく狸に騙されたようなオチの感触。
読み終ったあと、意地の悪い微笑みに頬を持ち上げられる感じが、
これ、やっぱり快感だと思うんですよね。
面白かったです。


死ねばいいのに

死ねばいいのに

  • 作者: 京極 夏彦
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2010/05/15
  • メディア: 単行本



nice!(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

線の波紋 [探偵ミステリー]

タイトル    線の波紋
作者     長岡弘樹


(あらすじとデータ)

短編連作形式のミステリー。

談合・・・・誘拐された幼女の母親。いたずら電話
追悼・・・・殺された男の友人。横領を見つかって
波紋・・・・誘拐犯を追う女刑事。その恋した相手
再現・・・・誘拐&殺人の真相。オタクのお母さん
エピローグ・・・・殺された男が笑っていた理由


(私はこう読んだ)

ズバリ、素晴らしいです。
ミステリーとしての目新しさはないものの、
構成が上手いので、読後の充足感はなかなかのもの。
こういう情報の切り捨てかたの上手な
小説は好きなんです。

ずいぶんと繊細なタッチなので、
書き手は女性かと勘違いしたほどの、細やかさ。
テーマは「疑心暗鬼と優しい嘘」といったところなんだけど、
その切り口が、また、意地悪なんだな。
犯人はゲンミツにキモチ悪いし。
それでいて、平成的な生温さもあって、バランスがいい。
地味だけど、傑作だと思いました。


線の波紋

線の波紋

  • 作者: 長岡 弘樹
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2010/09/29
  • メディア: 単行本


続きを読む


nice!(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

パーフェクトブルー [探偵ミステリー]

タイトル    パーフェクトブルー
作者     宮部みゆき


(あらすじとデータ)

高校野球界のヒーローが殺害された。
ヤサグレた弟と一緒に、父娘探偵が事件解決に乗り出した。
探るうち、明らかにされる製薬会社の陰謀。


(私はこう読んだ)

ちょっとビックリするくらい面白かったです。
物語そのものは、正気なロビン・クックといった案配。
驚くような展開ではないんですが。
しっかり読ませるエンタメ作品になっていて、これって文章力のたまもの。
正直、文章は上手い作家じゃないと思っていただけに、感動しきり。
文章って上手くなるんだなあ。
努力してる人って、ちゃんと分かるもんです。


パーフェクト・ブルー (創元推理文庫)

パーフェクト・ブルー (創元推理文庫)

  • 作者: 宮部 みゆき
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 1992/12
  • メディア: 文庫


連ドラ原作ですが


nice!(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

FLY [探偵ミステリー]

タイトル    FLY
作者     新野 剛志


(あらすじとデータ)

殺人犯と知り合って通報したら、
逃げられたうえに付け狙われて…


(私はこう読んだ)

粘着質と言っていい丁寧さのある小説で、
分かりやすい反面、やや疲れました。
すごーく好きな人は、絶対いるな、と思います。
私自身、体力のあるときだったら、
結構楽しく読んだはず。

全体のイメージを言うと、
深くて暗い井戸の底から、太陽を見上げているような、
非常に暗い青春小説という感じでしょうか。
一にも二にも、とにかく暗い印象でしたが、
中年になってまで引きずっちゃうような青春は、
それなりに暗さがあってしかるべきかな、とは思うので、
暗くて良いのだと思うけど。
ムリヤリ希望を語るオチは、ムリヤリすぎて切ないです。

ツッコミどころは多々ありますが、
これだけネッチリやられると、
なんだか負けた気がします。


FLY (文春文庫)

FLY (文春文庫)

  • 作者: 新野 剛志
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2007/08
  • メディア: 文庫



nice!(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:
前の5件 | - 探偵ミステリー ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。