スロート [探偵ミステリー]

タイトル    スロート
作者     ピーター ストラウブ


(あらすじとデータ)

ベトナム帰りの作家ティム・アンダーヒルは
ブルーローズ連続殺人事件に関する本
「ココ」と「ミステリー」を
ピーター ストラウブとの共著で出版した。
彼には、実はブルーローズ連続殺人の直前に
幼かった姉を殺害されたトラウマがあった。

姉を殺したのもブルーローズ殺人犯だとしたら、
現在、犯人だとされているのは別の人物だということになる、
と考えた

「ココ」「ミステリー」に続く、ブルーローズ三部作の最終巻。


(私はこう読んだ)

読んだつもりで、
読み逃していたのに気づいて
読みました。

この雰囲気。
なんだか「ただいま」って気分でした。
なつかしい。


この作品の特徴は重層的なつくりです。
リピートするというより
何度も同じ問題に立ち戻ることによって、
事件をしつこく修正することで、
その本質に迫ろうという物語の進行方法が印象的。

けれど決して粘着質な感じではなく、
むしろ、あきらめのムードが漂っていて、
だけれど、それが過酷な人生を生き残るために
必要なあきらめであることが、
田舎町の物語にアーバンな香り付けをしているような
印象もあります。

そういう特徴は、やや面倒くさい小説にしていると
言えなくもありませんが、
反面、そこが手堅く、面白く、
傑作の名に恥じない格調を醸し出しています。



スロート〈上〉

スロート〈上〉

  • 作者: ピーター ストラウブ
  • 出版社/メーカー: 扶桑社
  • 発売日: 1996/03
  • メディア: 単行本



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