謎手本忠臣蔵 [歴史/チャンバラ(日本)]
タイトル 謎手本忠臣蔵
作者 加藤 廣
(あらすじとデータ)
ご存知・忠臣蔵を「信長の柩」の作者が料理。
(私はこう読んだ)
正直、いまさら忠臣蔵か…とも思いましたが、
バランスの良い切り口で、なかなかの秀作。
嘘であることを前提にしている
歌舞伎の世界観とは、さすがに一味違います。
紙に書かれたものが
真実であるとは限らない、前提のうえで、
いかにも真実に近い世界観を提示していくか、
という、正しい姿勢の歴史小説家です。
本作も、真面目で丁寧な作品だと思いました。
それでいて、大石の解釈はいかにも現代風というか、
投げやりなサラリーマンっぽくて面白いなあ、と思いました。
バブルがはじける前には出てこなかった
かもしれない、大石像じゃないかしらん。
特に目立ってアクロバテックな論理展開をしている
わけではないと思うんですが、
朝廷と暦の話は、なるほどな、と思いました。
最近、近隣アジアに旅に行ったりすると、
日本はよくぞ太陽暦を取り入れたもんだ…と、思うことがあって。
どうやって皇室を言いくるめたんだろ、とか。
だいたい、今は太陽暦で神事を行っているところもあるけど、
それって意味あるのかな?とか。
普段、ぼんやり疑問に思っているあたりの答えも、
もしかしたらそのへんにあるのかもなあ…なんて思ったり。
なんにせよ、元禄は面白いです。
日本史のなかでも、価値観の変化が大きく、
多様化していった時代のひとつで。
おそらく、この辺から現代日本に直結する美意識が
発生しているような気がします。
作者 加藤 廣
(あらすじとデータ)
ご存知・忠臣蔵を「信長の柩」の作者が料理。
(私はこう読んだ)
正直、いまさら忠臣蔵か…とも思いましたが、
バランスの良い切り口で、なかなかの秀作。
嘘であることを前提にしている
歌舞伎の世界観とは、さすがに一味違います。
紙に書かれたものが
真実であるとは限らない、前提のうえで、
いかにも真実に近い世界観を提示していくか、
という、正しい姿勢の歴史小説家です。
本作も、真面目で丁寧な作品だと思いました。
それでいて、大石の解釈はいかにも現代風というか、
投げやりなサラリーマンっぽくて面白いなあ、と思いました。
バブルがはじける前には出てこなかった
かもしれない、大石像じゃないかしらん。
特に目立ってアクロバテックな論理展開をしている
わけではないと思うんですが、
朝廷と暦の話は、なるほどな、と思いました。
最近、近隣アジアに旅に行ったりすると、
日本はよくぞ太陽暦を取り入れたもんだ…と、思うことがあって。
どうやって皇室を言いくるめたんだろ、とか。
だいたい、今は太陽暦で神事を行っているところもあるけど、
それって意味あるのかな?とか。
普段、ぼんやり疑問に思っているあたりの答えも、
もしかしたらそのへんにあるのかもなあ…なんて思ったり。
なんにせよ、元禄は面白いです。
日本史のなかでも、価値観の変化が大きく、
多様化していった時代のひとつで。
おそらく、この辺から現代日本に直結する美意識が
発生しているような気がします。