幕末維新の暗号 [歴史/チャンバラ(日本)]

タイトル    幕末維新の暗号
作者      加治将一


(あらすじとデータ)

歴史上、トンデモ・ネタとして位置づけられているフルベッキ写真。
幕末維新の志士が一同に集合したこの写真は、
調べる者を不幸に陥れるのだという。
フルベッキ写真には、一体なにが隠されているのか。
歴史の闇を調査する作家の周囲にも、
秘密結社・南梟団の影が…


(私はこう読んだ)

面白ーい(≧∇≦)
興奮しました。
文句なし!

…と言いたいところなんだけど。
文句はすごーくあるのですよ。

まず、登場人物(とくに主人公のオサーン)が激しくキモい!
自意識過剰で偏狭な文体も反発しか感じないし。
読書中の印象は不愉快そのもの。

大変だー、スキャンダルだー、暴くと命の危険がー(>Σ<)
と、騒ぐわりには、小説的に地味な展開。
リアルなつもりなんだろうなあ…と思うと、
正直ちょっと引く。

小説という形態じゃなくて、
普通に歴史読み物だったら良かったのにー。
内容はかなり面白いのにー。

結局、ジェネレーションギャップかなあ?
なんて思っちゃったセンスの差ですが。
なんでこんなに違和感を覚えたか、というと…

衝撃の事実と、バリバリのネタバレつき感想は
「続きを読む」でお話しましょう。


幕末 維新の暗号(上) 群像写真はなぜ撮られ、そして抹殺されたのか (祥伝社文庫)

幕末 維新の暗号(上) 群像写真はなぜ撮られ、そして抹殺されたのか (祥伝社文庫)

  • 作者: 加治 将一
  • 出版社/メーカー: 祥伝社
  • 発売日: 2011/06/09
  • メディア: 文庫


さっくりバラしちゃうと、
これ、天皇家のタブーの話でね。
明治天皇のすり替えが本作品のキモなわけです。

南朝復活。
ネタとしては(頻繁じゃないけど)見かけます。
歴史観としては全然アリだと思うんですが。

しかも、ガツガツ確証を並べて、
推理を展開してくれているので、読みごたえは十分。
乱暴といえば乱暴ですが、
変な熱気も手伝って、
説得力があります。

だから、普通に面白がって、
勢いよくプレゼンしてくれたら、
もっと普通に面白かったのに。

この不快感。
モヤモヤっぷりの正体は、
ズバリ、天皇家に対する思い入れの温度差です。

だいたい、歴史を語るうえでの天皇家の秘密なんて
、いまでもホントにタブーなの?
という核心の部分からして、
私なんかはピンとこないわけです。
アラヒトガミという概念というか、宗教がそもそも分からない。

おそらく、それは私だけではなく。
少なくとも、バブル以降に物ごころがついた世代には、
作者が言わんとするスキャンダルの衝撃度は
伝わらないんじゃないかなあ。

つまり、ジェネレーションギャップだと思うんです。

おかげで、
作者が俺サマは本気だー、
迫害になんか負けないぞー、
と気炎を吐くたびに、
読んでるほうは辟易するという…

まあ、いいや。

皇居に楠正成像がある理由に、
ある程度は納得ができる仮説があるとわかって良かったし。
見るたびに気になってたので。
ちょっとスッキリ。

でも、そんなことより!
個人的には、なにが一番衝撃的って!!

フルベッキ写真に載っている小南の甥・横井左平太と!
私!
激似!(」゜□゜)」なんすけどーぉ!!!

親も認める「見合い写真にしてもいい」くらいの
クリソツ具合にドキドキです。
もしかして、自分、記憶にないだけで、
150年ばかし前に坂本龍馬と肩を並べて
集合写真を撮ったのかもしらん。
なかば本気で思ったくらい。

なーんっつって、
「けしからん」とか言われて、
マニアな方々に刺されちゃったらどうしよう。

歴史の闇、恐るべし!です。

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