エドウィン・ドルードの失踪

タイトル　　　　エドウィン・ドルードの失踪
作者　　　　　ピーター ローランド


（あらすじとデータ）

文豪ディケンズ絶筆のミステリー「エドウィン・ドルードの謎」に
シャーロック・ホームズがいどんだら・・・？

異色のホームズ・パスティーシュ。


（私はこう読んだ）

本歌取りの元ネタを読んでいないのがネックなのか、
今ひとつノリ切れませんでした。

パスティーシュの仕掛けとしては面白いんだけど、
それでも「ホームズらしさ」が欠けてしまっている気がして。

たとえば、
架空の人物と実在の人物との差異に対する評とかを、
ホームズにさせたかった気持ちは分かるし、
うっかりニヤリとさせられちゃったのだけれど、
やっぱり「らしく」はないよなあ、という・・・

文章・構成も「ワトスンらしく」ないし。
ホームズ物の贋作としては、私は不服です。


とはいえ、
おそらくディケンズ物としては結構いい出来なんじゃないかしらん。
作者のディケンズ愛はとっても感じる小説だと思います。

実際、下敷きになっている「エドウィン・ドルードの謎」は面白そうで、
機会があったら読んでみようと思ったもの。
そういう意味ではヤラレた感はあります。

エドウィン・ドルードの失踪 (創元推理文庫)

• 作者: ピーター ローランド
• 出版社/メーカー: 東京創元社
• 発売日: 1993/12
• メディア: 文庫

タグ：シャーロック・ホームズ 絶筆 ディケンズ愛