熊嵐 [歴史/チャンバラ(日本)]

タイトル    熊嵐
作者     吉村 昭


(あらすじとデータ)

1915年12月に北海道で起こった国内では最大の獣害とも言われる
三毛別羆事件に取材した作品。
これは、人肉の味を知ったヒグマが数度にわたって民家を襲い、
開拓者ら7名が死亡・3名の重傷者を出す惨事であった。


熊嵐とは、熊が殺されると必ず吹くという風のこと。


(私はこう読んだ)

おそらくこれは、余所者である開拓民が
どうやって自然の手から、大地をもぎ取ってきたか、という
戦争の物語だと思います。

でも、なにより、
自分よりおっきいモノが、自分を食うために襲ってくるって事は、
ただ、もう、純粋に怖いんだなあ、と。

怖くて、惨くて、たけど、それが自然の当たり前なんだけど、
今はもう、自然が当たり前でなくなっている社会に
私たちは生きているので、
なんだかちょっと衝撃を受けました。

そんな恐怖と戦って、かつそれを普通の生活として生きている
猟師とか漁師とかって、凄いなあ。
とか、まるでおとぎ話を読む気分でしたが、
実話なんですよねえ。
凄いな。

ちなみに、この話、区長もカッコいいんだ、これが。



羆嵐 (新潮文庫)

羆嵐 (新潮文庫)

  • 作者: 吉村 昭
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1982/11
  • メディア: 文庫



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