向井帯刀の発心 [歴史/チャンバラ(日本)]

タイトル    向井帯刀の発心 物書同心居眠り紋蔵
作者     佐藤 雅美
出版社    講談社


(あらすじとデータ)

睡眠障害のため居眠りを繰り返して、あなどられがちの物書同心紋蔵は、
意外にデキる男である。
が、サラリーマンとしての彼は、
使える男というよりは、都合の良いヤツなんである。
おかげで、次から次へと、面倒でイヤなことの処理役に白羽の矢が当たる。

今回は、同僚の内部調査から始まって、
上司から跡取り息子を養子に欲しいと、無理難題。
さあ、どうする、紋蔵?!


物書同心居眠り紋蔵は、
一話完結形式のシリーズ物。
以下は各章のタイトル。

・与話情浮貸横車 
・歩行新宿旅篭屋 
・逃げる文吉 
・黒川静右衛門の報復 
・韓信の胯くぐり 
・どうして九両三分二朱 
・旗本向井帯刀の発心


(私はこう読んだ)

最近、佐藤雅美を読むと、
男心とは、かように揺れ動きつつ、
貧乏くじをひいて生きるものなのか、と
ため息が出るのです。

何故か。
やりたくもないのに、やらなければならないハメに陥る過程が
実にリアル。

男は言い訳するもんじゃない、という美意識というか、
見栄というか。
女からしたら「どうしてそうなるんだ???」という選択に落ち着く感覚が
なんだか、ため息。

特にこの紋蔵シリーズは「ため息度」が高いです。
たぶん、その辺がシリーズの人気につながってるんだろうなあ、と。

最新作である本作は、シリーズの中でも一番の「ため息度」!
練れていて、お話も面白く、安心して読めます。
うんちくの部分も、あいかわらず面白い。

アクションシーンが一切なくても、
派手な謀略なんかがなくても、
とってもスリリングで楽しい一冊です。


向井帯刀の発心 <物書同心居眠り紋蔵> (講談社文庫)

向井帯刀の発心 <物書同心居眠り紋蔵> (講談社文庫)

  • 作者: 佐藤 雅美
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2010/01/15
  • メディア: 文庫



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