隠されたパンデミック [SF]

タイトル    隠されたパンデミック
作者     岡田 晴恵
出版社    幻冬舎


(あらすじとデータ)

ウイルス学者が書く、新型インフルエンザの近未来予想図、
恐怖と希望風味。
厚生労働省に対する、現実のグチをふんだんにちりばめて。


(私はこう読んだ)

社会派小説というカテゴリーで売られていますが、
私はSFとして読んだほうが、理解しやすいかな、と思いました。
でも、
ジャンルを越えて、この熱気には圧倒されます。
良いとか悪いとかでもなく、勉強になりましたし、
読んで得した感じがしました。

小説の形態で書かれていますが、
むしろ、読み物としての読み応えがあります。
個人的には、細菌もよく分からないのにウイルスなんて・・・
と思って読み始めましたが、
今までニュースなどで見ていた知識のたな卸しと整理にもなりましたし、
なにより、
知らなかったり、誤解していたことがたくさんあったこともわかりました。

たとえば、
新型インフルエンザの「弱毒性」と「強毒性」の違い。

  弱毒性→肺や気管などの一部器官に感染するウイルス。
        季節性インフルエンザなど
  強毒性→脳や心臓・血液など全身に感染するウイルス。
        H5N1型ウイルス

言われてみれば、なるほどと思うけれど、
去年の流行時にニュースで聞いた感触としては、
なんとなく、
弱毒性は感染力が弱く、強毒性は感染力が強いのかと。
それだけ見ても、
報道情報を正しく読み取れていなかったことに驚きました。

実は、私自身もかつて病院勤務をしていたことがありますし、
家族には現役で検査技師をしている人間もいるので、
おそらく一般平均よりは、
パンデミックに対する意識も知識もあるほうだと思うのですが。
それでも、なお。
そう考えると、パンデミックは相当怖いです。

パンデミックの問題は健康問題ではなく、
国防問題である、という意味もようやく腑に落ちました。
いや、これは怖い。
本当に国には仕事をしてほしいです。


隠されたパンデミック (幻冬舎文庫)

隠されたパンデミック (幻冬舎文庫)

  • 作者: 岡田 晴恵
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2009/10
  • メディア: 文庫



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