冷たい心の谷 [海外ファンタジー]

タイトル   冷たい心の谷
作者     クライブ・バーカー
出版社    ソニーマガジンズ


(あらすじとデータ)

ルーマニアの修道院に封印されていた悪魔の部屋を、
ハリウッドに移築した美貌の女優は、
その部屋の魔法性によって、不老不死となって100年あまり、
今もひっそり暮らしていた。
悪魔の部屋に入れなかったので、老いて死んでしまった、
他のハリウッドスターの亡霊たちに囲まれて。

そこへ、現代のハリウッドスターが引っ越してくる。
中年になった落ち目のアクションスターが、整形手術に失敗したため、
静養を余儀なくされたのだ。

ざわめく幽霊たち。
そして、恋に落ちる不老不死の女優。


(私はこう読んだ)

エロさもグロさもそれなりに、
良くも悪くも、バーカーらしいダークファンタジーだなあ、と思いました。

情景のイメージは、さすがに美しく。
かつ滑稽であるあたりは、
確信犯らしく、エゲつなくて楽しかったです。


ネタバレありの感想はつづきで。


冷たい心の谷〈上〉 (ヴィレッジブックス)

冷たい心の谷〈上〉 (ヴィレッジブックス)

  • 作者: クライヴ バーカー
  • 出版社/メーカー: ソニーマガジンズ
  • 発売日: 2003/10
  • メディア: 文庫


だけど、不満を言うならば。
せっかく悪魔の部屋を女優の故郷から持ってきたんだから、
なんでそれがストーリーの鍵になってこないのか、とか。

悪魔の部屋の効能が、
目に見えて分かるシーンがないのか、とか。

もったいないづくし。

だって、整形手術に失敗したアクションスターが、
ハラ肉もあらわにウロウロしてて、よ?
悪魔の部屋に入ったら、バボーンと若き日のイケメンに戻って、
そこから破滅する話だと思うじゃない、普通?

恋する不老不死が、悪魔の部屋を離れて、
アクションスターを追ってハリウッドの街中に出たら、
タイムリミットがきて、見る間にシワクチャのお婆ちゃんに・・・
なシーンを期待するのは、基本でしょ?

スタンダード過ぎて、スルーしました、とは言わせたくないベタな設定をしておきながら。
なんだか、肩透かしをくらった気分なのでした。


でも、まあ、
バーカーはもともと風景を描く作家なんであって、
因果応報を書く作家ではないんだから、
仕方ないかなあ。

悪魔の部屋の風景はとても好きで、
リリスと子供はいかにもバーカーらしく。
本当に、書きたいものと、どうでもいいものがハッキリしていて、
いっそ清々しいです。
(ああ、でもそれがバーカーだった)

ゲイに優しいしね!


ところで、「アバラット」はどうなるんでしょう?
っていうか、
どうなってるんでしょう?
この調子だと、ディズニー映画でオッケーだと思うので、
最初に聞いた時よりはずっと楽しみなんですが。
とりあえず、つづきはまだでしょうか。

たぶん、
楽しく妄想して、時間がかかってるんでしょうねえ・・・

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