怪獣男爵 [冒険ミステリー]

タイトル   怪獣男爵
作者    横溝正史
出版社   朝日ソノラマ

(あらすじとデータ)

悪の限りを尽くし、三年前に死刑になったはずの古柳男爵は、しかし脳みそを怪物に移植して生きていた!
科学者としての明晰な頭脳に怪物としての頑健な肉体を得た怪物男爵はパーフェクト悪役として、かつて自分を死刑に追いやった仇敵・小山田博士に復讐を企てる。
怪物男爵の仕掛けるケレン味のある謎の数々を解く、小山田博士の息子・史郎らの活躍。


(私はこう読んだ)

1948年が初出というだけあって、古きよき冒険ミステリー、昭和の空気感たっぷりな仕立てであります。
古臭いと言えば古臭いですが、
しかし、こういう作品は時代を感じるために読むという読み方もアリでしょう。

個人的意見としては、これは「江戸川乱歩する横溝を楽しむ一冊」として読むべき本だと思います。
孤島のマットサイエンティスト=フランケンシュタイン。
手下は小人とヤブニラミの男。
富豪のパーティ。
サーカスに花火。
この過剰なまでの乱歩チックなデテールは、ファンなら絶対に楽しい。
萌え萌えモード間違いなし。
実際、私は萌えました。

作中には青沼春泥(言うまでもない、横溝の「犬神家の一族」に登場する青沼静馬と、乱歩「陰獣」の大江春泥との合体名でしょう)なる人物が登場して、思わずニヤリとさせてくれたりと、やってくれます横溝先生。
等々力警部も登場して、どもり倒してくれるのも嬉しいところ。
しすぎだろう、というくらいのファンサービスっぷり。

もっとも、作品そのものの世界観としては、乱歩の明智的少年探偵モノというよりかは、ハーディボーイズとかナンシー・ドルーとかを思い出しました。
結局パパがやたらとカッコいいところとかが、なんとなく。


とりあえず、表紙とかがナイス!
田村元・画ですと。

怪獣男爵表紙.jpg


犬神家の一族 (角川文庫―金田一耕助ファイル)

犬神家の一族 (角川文庫―金田一耕助ファイル)

  • 作者: 横溝 正史
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 1972/06
  • メディア: 文庫



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