ダンテクラブ [海外ミステリー]

タイトル    ダンテクラブ
作者    マシュー・パール


(あらすじとデータ)
1860年代。
プロテスタント国家アメリカにとって、
カソリックの世界観を土台にしたイタリア文学
ダンテの「神曲」が、
堕落と異端の象徴であった時代。

ハーヴァードの有名な文人たちで構成される
ダンテクラブでは、
「神曲」の文学的価値を認め、
アメリカ国内で出版すべく、共同翻訳を進めていた。

そんななか、
地獄編の内容に沿った連続殺人事件が勃発。
ダンテを知る人間が限られる町での模倣殺人は、
ダンテクラブのメンバーを震撼させた。


(私はこう読んだ)

面白いのだけど、
「神曲」ってちゃんと読んでないんだけど、
それでも面白くって良いのかな・・・
と、不安になりつつも、
面白かったです。

「神曲」は、高校生くらいの時に
パラパラっとめくって、
サッパリ分からないまま、終わってて。
しかも、
宗教的土台もヘロヘロなので、
もうちょっといろいろ分かっていたら、
もっと面白いに違いないのだけど。

でも、
元ネタもちゃんと知らないのに、
全然楽しいのは、素晴らしいんじゃないでしょうか。
たいしたものだと思います。

歴史物としても、
文学を本歌取りした作品としても、
作者のビジョンの確かさと、
愛情を感じます。

ハーヴァードを主席で卒業した作者が、
卒論のついでに、
論文のテーマで小説も書いちゃいました
って感じはありますが、
それが小説としての体裁を壊しているわけでもなく。

怪奇ミステリーとしてちゃんと面白いし、
しかも、
学者ばっかりの話なので、
期待していなかったアクションなんかも
それなりに。
勢い、ラストの満足感も上がるというもの。

文句なし。

あえて言うなら、
登場人物の名前が、やや覚えにくいくらい。
歴史上の人物なんだから、仕方ないというか、
教養のある人なら全然モエモエなんだろうけど。

もっとも、
読み始めはこんがらがったけど、
キャラ分けはシッカリしているので、
整理さえつけば、無問題。

ちなみに私はキャラ分け整理ができるまで、
しょうがないのでアテ読みしたのだけれど、
伸たまきのパームシリーズで変換したら、
素敵にぴたーり。
途中まで補助輪代わりにさせていただきました。
ありがたや。



ダンテ・クラブ

ダンテ・クラブ

  • 作者: マシュー・パール
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2004/08/26
  • メディア: 単行本



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