日輪の遺産 [SF]

タイトル     日輪の遺産
作者      浅田 次郎



(あらすじとデータ)

府中競馬場で出合った老人から託された古い手帳には、
おそるべき秘密が書かれていた。
終戦直前、
軍は日本の再起のための軍資金として国庫から巨額の金を
持ち出していた、というのだ。

おりしも、そのミッションが行われたというのは、
多摩川を隔てて見える山林である。
旧日本軍とマッカーサーが奪い合ったという埋蔵金の今は・・・。



映画化決定。
ちなみに、本作品の舞台となった武蔵小玉市のモデルは稲城市である。


(私はこう読んだ)

これはもう歴史IFモノSFでいいんじゃないか。
だってスペクタクルなファンタジーだもの。
埋蔵金。ロマンです。
ミーハー心を掻き立てられます。

というのとは別に。
常々、浅田次郎作品が面白いのは、
そこに確かな人間の体温が感じられるからだと思っているのですが、
それに加えて、結局は登場人物に善人が多いあたり。
悪そうに見えて、意外に根っこは優しいプロフィールに
どうしても微笑ましくなってしまうからでしょう。

愛国心とは、国を愛するだけでなく、
国を信じる心だという物語で、
書く人によっては、かなり怖い小説になるはずのテーマであって、
実際、本作でも私は怖くて泣いちゃったんですが、
浅田マジックにかかると、むしろ悲しみを浄化した読後感になっていて、
正直、凄いなあ、と思いました。

映画、楽しみです。



日輪の遺産 (徳間文庫)

日輪の遺産 (徳間文庫)

  • 作者: 浅田 次郎
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2000/04/07
  • メディア: 文庫



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