悪人 [青春小説]

タイトル    悪人
作者    吉田 修一


(あらすじとデータ)

ひとりの女性が殺された。
殺された女はどういう人間だったのか、
どうして男は殺したのか、
そして、殺した男を愛した女とは。

ミステリーの顔をしたヒューマンストーリーである。

2006年3月24日から2007年1月29日まで朝日新聞にて連載

第34回大佛次郎賞・第61回毎日出版文化賞を受賞。
2008年度本屋大賞第4位。

李相日監督・妻夫木聡主演で映画化(2010年9月11日公開)。


(私はこう読んだ)

共感できる登場人物もいなければ、
謎解きとしてのインパクトもないにもかかわらず、
面白く読みました。

基本的には恋愛小説なんだろうと思うのだけど、
それ以上に孤独をテーマにした物語で、
普遍性のある作品になっており、
しかも構成がしっかりして、読みやすく、
私としては予想外のヒットでした。

こういうふうにからっぽな人間たちも、
広い世の中にはもしかしたらいるのかもしれないなあ、とか。
なんとなく説得させられちゃったし。
田舎って、今でもこんなにわびしいのかなあ、とか。
衝撃を受けたり。

なんていうか、演歌っぽい話なので、
好き嫌いはともかく、貧乏臭いところが良いんだとは思いますが、
妻夫木聡と深津絵里で、これをどう映画に仕立てたのか、
あんまりにもピンとこなくて、
逆にちょっと見てみたいかな、と。

とりあえず、2本立てにきたら、
組み合わせのいい映画館で、安く見に行こうと思います。



悪人(上) (朝日文庫)

悪人(上) (朝日文庫)

  • 作者: 吉田 修一
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
  • 発売日: 2009/11/06
  • メディア: 文庫



映画「悪人」 フォトストーリーブック

映画「悪人」 フォトストーリーブック

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
  • 発売日: 2010/08/20
  • メディア: 単行本



美男美女でどう演るんだ、これ。と、思っていたのだけれど、
いやいや、どうして。
ちゃんとそれなりに貧乏くさく、
ちゃんとしっかりと演歌で、
しかも、怖く、
それでいてBGMは分かりやすいカッコよさで、
うっかり感情移入できる、良い映画になっていました。
正直びっくり。
とくに画面に出てきただけで説得力のあるジジイ&ババアは反則です。
個人的には原作よりスキです。


nice!(10)  トラックバック(0) 

nice! 10

トラックバック 0

エイジ大地 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。